「接着適用技術者養成講座」

講義の方針とカリキュラムの詳細

 

【講義の方針】 

(1)先進・最新技術のレベルではなく、接着を用いるために必要で十分な知識と、接着に対するセンスを身につけてもらう。

(2)接着に詳しくない技術者や接着に関する教育の機会が少ない中小企業の技術者にも役に立つ内容とする。

(3)化学や機械、統計・確率などの専門知識がない技術者でも理解しやすいように説明する。

  (高校レベルの学力で理解できる内容とする。)

(4)実践的な内容と考え方を説明する。理論は、それらの裏付けとして必要な範囲で説明する。

(5)説明している事項がなぜ必要なのかの理由を説明して理解を助ける。

(6)設計、施工、管理時の目標特性値を明確に伝える。

(7)できるだけデーター、事例を含める。

(8)評価方法を具体的に示す。

(9)できるだけ勘どころやトラブル事例的内容を盛り込む。

10)接着の欠点・課題も十分に説明する。

 

【カリキュラムの詳細】

 ※今後、各項目の順番、項目等は変わる場合があります。変更が生じた場合は本ページに掲載いたします。

 

第Ⅰ単元【1日目(10/5)前半】(9:3012:30

  

1章 接着設計技術と接着管理技術(9:30-11:00 講師:原賀康介)

1.特殊工程の技術と設計・管理

2.接着接合を取り巻く課題

2.1 人的要因

2.2 技術的要因

2.3 生産性、コスト面

3.接着設計技術と接着管理技術

3.1 接着設計技術とは

3.2 接着管理技術とは

4.コンカレント・エンジニアリングの実践

5.自社で接着を行わず、接着作業を外注する場合

6.接着適用技術者に必要な知識とセンス

 

2章 接着の機能設計-接着接合の特徴・機能・効果と適用事例、接着の課題-

11:10-12:30 講師:原賀康介)

1.接着接合の特徴・機能と得られる効果

2.接着の欠点・課題

3.接着接合の適用事例(目的、機能の活用、効果)

4.接着の適用事例に見る接着機能の設計への活かし方

5.接着接合と他の接合方法の比較

  

第Ⅱ単元【1日目(10/5)後半】(13:2017:00

 

3章 接着の基礎とメカニズム(13:20-14:50 講師:若林一民)

1.接着の基礎

1.1 接着・接着剤とは・位置づけは

1.2 接着剤の長所、短所

1.3 接着剤の分類

2.接着のメカニズム

2.1 接着理論の分解図

2.2 ぬれと接触角

2.3 接着の仕事

2.4 溶解度パラメータとは

2.5 接着界面の強さ

2.6 金属結合と水素結合

2.7 接着剤と被着材面の分子同士の結合

2.8 二次結合(ファン・デル・ワールス力)とは

2.9 力学的な接着効果(アンカー効果)

 

4章 正しい接着剤の選び方(15:00-17:00 講師:若林一民)

1.接着剤を選ぶ基本原則

2接着剤の種類

3.被着材と接着剤の相性を知る

4.接着剤の性質を知る 

5.被着材

6.接着剤の選定方法のまとめ

7.強度と耐久性

8.接着関連の法規制・規格

  

第Ⅲ単元【2日目(10/6)前半】(9:3012:30

  

5章 被着材の表面処理(9:30-12:30  講師:山辺秀敏)

1.表面処理の目的と分類

1.1 被着材の表面処理の目的

1.2 被着材の表面処理の分類

2.被着材の理想表面と実存表面、接着界面

2.1 理想金属表面

2.2 実存金属表面

2.3 金属接着における影響因子

2.4 金属接着界面の考え方(アルミ合金)

2.5 金属における表面処理の必要性

2.6 界面における水の濃化

2.7 金属接着力低下の考え方

3.金属の接着用表面処理とその効果

3.1 JIS K-6848-2 で規定された金属表面処理方法

3.2 普通鋼の製造工程

3.3 普通鋼の表面処理

3.4 シリコーター処理プロセス

3.5 アルミニウム合金の接着用表面処理

3.6 歯科用接着モノマー(Ni‐Cr およびCr‐Co 系合金等)

3.7 銅とポリイミドの接着における粗面化の効果

3.8 表面処理検討におけるポイントと注意点

3.9 参考:普通鋼の製造工程

3.10 表面・界面分析技術

3.11 接着耐久性の向上Ⅰ:ステンレス鋼陽極酸化処理

3.12 接着耐久性の向上:ステンレス鋼へのシランカップリング剤処理

3.13 接着耐久性の向上:結合タイプと結合エネルギー

3.14 接着耐久性の向上:ステンレス鋼のポリカルボン酸薄膜処理

3.15 接着耐久性の向上:トリアジンチオール化合物による機能化例

4.プラスチック類の接着用表面処理

4.1 被着材の表面に存在する異物と接着性向上

4.2 大気圧プラズマの分類

4.3 大気圧プラズマ処理

  

第Ⅳ単元【2日目(10/6)後半】(13:2017:00

  

6章 高品質接着を達成するための基本条件と作り込みの目標値

13:20-14:20 講師:原賀康介)

1.高品質接着とは

2.高品質接着達成のための開発段階での作り込みの目標値

2.1 接着部の破壊状態-凝集破壊率40%以上を確保する-

2.2 接着強度のばらつき-変動係数Cv0.10以下にする-

2.3 接着強度の分布の形

2.4 接着面の表面張力を高くする

2.5 接着部の必要破断強度を確保する

3. 開発段階で達成すべき目標値 -まとめ 

4.接着のアキレス腱(脆弱箇所)

 

7章 接着部品の構造設計(14:30-17:00 講師:原賀康介)

1.接着部品の構造設計の基本理念

2.接着部の構造設計時の考慮点

3.接着耐久性を向上させるための考慮点

4.塗料の密着性が良い材料は接着にも適するとは言えない

5.構造設計時のチェック項目

 

第Ⅴ単元【3日目(10/13)前半】(9:3012:30

 

8  接着接合部の力学 (9:30-12:30 講師:佐藤千明)

1.接着接合部に加わる力の種類

2.接着接合部の形状と応力解析 

2.1 シアラグモデル(Volkersenモデル)

2.2 Goland-Reissnerモデル

2.3 実際の応力分布

2.4 ピールの力学(Winkler foundation モデル)

2.5 拘束の力学(ポアソン比の影響)

2.6 有限要素法

3.接着強度の測定方法、試験装置

3.1 静的試験(強度)

3.2 静的試験(吸収エネルギー)

3.3 他の要因

3.4 試験装置

4.測定結果に影響する諸因子

5.非破壊検査

6.まとめ

 

第Ⅵ単元【3日目(10/13)後半】(13:2017:00

 

9  接着の機能・特性を損なう内部応力の発生メカニズムと影響諸因子、低減法

13:20-15:30 講師:原賀康介)

1.内部応力(残留応力)で生じる不具合

2.内部応力(残留応力)の種類

(1) 接着剤の硬化収縮応力

(2) 加熱硬化後の熱収縮応力

(3) 使用中の温度変化による熱応力

(4) 吸水膨潤応力

(5) 被着体の変形による応力

3.接着剤の粘弾性特性と応力緩和

3.1 粘弾性体

3.2 応力緩和

4.異種材接着における内部応力による不具合

4.1 各種の変形のモード

4.2 異種材料の嵌合接着

5.内部応力に影響するその他の因子

5.1 接着部の構造

5.2 接着剤の塗布量、塗布位置

5.3 接着剤の物性、部品の厚さ(剛性)

5.4 接着剤の短時間硬化、後硬化

6.内部応力の評価法

6.1 応力を直接求める方法

6.2 有限要素法で求める方法

7.接着層の内部応力の低減策

 

10章 接着部の必要強度とCv値の設計法-『Cv接着設計法』<追補版

 15:40-16:50 講師:原賀康介)

1.『Cv接着設計法』とは

1.1 設計に用いることができる接着強度-設計許容強度-

1.2 『Cv接着設計法』で求めたいもの

2.『Cv接着設計法』の構成要素と考え方

2.1 『Cv接着設計法』の構成要素

2.2 破壊状態と接着強度の分布の形

2.3 接着部に加わる力と発生不良率

2.4 許容不良率F(x)と、許容不良率F(x)の上限強度

2.5 許容不良率の上限強度とばらつき係数

2.6 工程能力指数CL

2.7 「工程能力指数CL」から「信頼性指数R」へ

2.8  信頼性指数R,ばらつき係数d,変動係数Cvの関係

2.9  劣化による接着強度の低下とばらつきの増大

2.10 接着強度を破断強度で考えてはいけない-内部破壊-

2.11 接着強度の温度依存性―温度係数ηT

2.12 安全率S1

2.13 Cv接着設計法』の構成要素のまとめ

3.設計基準強度と設計許容強度の算出式

 3.1 設計基準強度PyThと設計許容強度PyThs

 3.2 設計基準強度PyThと設計許容強度PyThs の算出式

4.必要な接着面積と必要な変動係数の見積り

 4.1 必要な接着面積の見積り式

 4.2 初期の変動係数CvROの許容値の見積り式と計算例

5.まとめ

  

第Ⅶ単元【4日目(10/14)前半】(9:3012:30

 

11  接着の耐久性 (9:30-11:40 講師:原賀康介) 

11.1章 劣化の要因とメカニズム、耐久性評価のポイント

1.接着接合部における劣化箇所

2.代表的な劣化の要因

3.接着劣化のメカニズム

3.1 熱劣化

3.2 水分による劣化

3.3 継続荷重(クリープ)

3.4 ヒートサイクル、ヒートショック

4.耐久性評価における注意点

4.1 水分劣化における接着部の形状・寸法の影響

4.2 接着部での水分の濃度分布と強度低下の関係

4.3 吸水後の乾燥による接着強度の回復(乾燥可逆性)

4.4 クリープ耐久性に及ぼす水分の影響-応力と水分の複合-

4.5 冷熱繰返し試験における強度低下のモード

5.耐久性評価試験の目的と種類

11.2  接着耐久性の長期寿命予測法

1.寿命予測の鉄則

2.長期熱劣化の予測法

2.1 アレニウス法

2.2 アレニウス法による熱劣化の予測例

3.長期水分劣化の予測法

3.1 アレニウス法による推定

3.2 吸水率分布からの耐水性の予測法

3.3 飽和吸水率および拡散係数の求め方

4.長期屋外暴露劣化の予測法

5.クリープ耐久性の予測法

5.1 応力負荷装置

5.2 長期クリープ強度の予測方法

6.疲労耐久性の予測法

 

12  接着の特性・信頼性の向上とコストダウンを両立させる『複合接着接合法』

    (11:50-12:30 講師:原賀康介)

1.複合接着接合法とは

2.代表的な複合接着接合法

2.1 接着剤とスポット溶接の複合接合(ウェルドボンディング:WB

2.2 接着剤とリベットの複合接合(リベットボンディング:RB

2.3 その他の複合接着接合法

3.接着剤と他の接合法の役割の分担

3.1 接着剤の役割・機能

3.2 リベットなどの他の接合法の役割・機能

4.複合接着接合法の諸特性

4.1 各種接合法の強度の比較

4.2 接着強度のばらつきの低減

4.3 薄板でのスポット溶接強度の低下の補完

4.4 破断に対する冗長性の向上

4.5 接着強度の温度依存性の低減(高温接着強度の向上)

4.6 疲労特性の向上

4.7 接着の耐クリープ性の向上

4.8 応力負荷状態での接着の耐湿性の向上

5.まとめ

 

第Ⅷ単元【4日目(10/14)後半】(13:2017:00

 

13  接着工程における留意点と、工程設計、設備設計への反映

13:20-15:00 講師:原賀康介)

1.接着の工程

2.接着工程における留意点

2.1 部品の素材

2.2 素材の部品加工(形状形成)

2.3 部品の二次加工

2.4 接着の前工程

2.5 接着工程

2.6 接着の後工程

2.7 接着の検査、保管、保護・梱包

3.特殊作業工程における自動化と手作業の棲み分け

4.トラブル時の停止-工程の連続性を考慮する-

5.工程設計、設備設計への反映

【付録1】消去法による接着剤選定チェックリスト

【付録2】接着剤の種類、特徴と使用上の注意点

【付録3】接着剤使用上の管理のポイントチェックリスト

 

14  接着の品質設計、品質管理 (15:10-17:00 講師:原賀康介)

1.接着の特異性を認識した上での品質設計・品質管理

1.1 接着の特異性

1.2 特殊工程技術における品質設計

1.3 特殊工程技術における品質管理

1.4 接着不良が発生した時のチェックポイント

2.最適設計のための製品の耐用年数経過後の安全率の尤度の定量化法

2.1 この評価法の適用の目的と前提条件

2.2 耐用年数経過後の安全率の尤度の算出法

2.3 耐用年数経過後の安全率の算出事例

2.4 安全率の尤度の再配分

3.トラブル品の不良率の推定事例

3.1 トラブルの状況

3.2 原因と最低強度の推定

3.3 耐用年数までの発生不良率の推定

3.4 対策と対策品の信頼性の推定

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開催案内およびカリキュラムの印刷用ファイルです
●第5回接着適用技術者養成講座案内・プログラム(20200831).pdf
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