「接着適用技術者養成講座」

講義の方針とカリキュラムの詳細

(2018-5-6更新)

 

【講義の方針】 

(1)先進・最新技術のレベルではなく、接着を用いるために必要で十分な知識と、接着に対するセンスを身につけてもらう。

(2)接着に詳しくない技術者や接着に関する教育の機会が少ない中小企業の技術者にも役に立つ内容とする。

(3)化学や機械、統計・確率などの専門知識がない技術者でも理解しやすいように説明する。

  (高校レベルの学力で理解できる内容とする。)

(4)実践的な内容と考え方を説明する。理論は、それらの裏付けとして必要な範囲で説明する。

(5)説明している事項がなぜ必要なのかの理由を説明して理解を助ける。

(6)設計、施工、管理時の目標特性値を明確に伝える。

(7)できるだけデーター、事例を含める。

(8)評価方法を具体的に示す。

(9)できるだけ勘どころやトラブル事例的内容を盛り込む。

10)接着の欠点・課題も十分に説明する。

 

【カリキュラムの詳細】2018-5-6更新

 ※今後、各項目の順番、項目等は変わる場合があります。変更が生じた場合は本ページに掲載いたします。

 

第Ⅰ単元【1日目(9/10)前半】(10:0013:00

第1章 接着接合の特徴・機能・効果と適用事例、接着の特異性と課題 (10:00-11:30 講師:原賀康介)

1.接着接合の特徴・機能と得られる効果

2.接着の欠点・課題

3.接着接合の適用事例(目的、効果)

4.接着接合の特異性と課題

4.1 接着接合は汎用的に適用可能か?

4.2 接着の課題

5.接着接合と他の接合方法の比較

 

休憩 10

 

第2章 接着設計技術、接着管理技術 (11:40-13:00 講師:原賀康介)

1.特殊工程の技術と設計・管理

2.接着設計技術と接着管理技術

3.接着設計技術の各要素技術

4.接着管理技術の各要素技術

5.コンカレント・エンジニアリングの実践

6.自社で接着を行わず、接着作業を外注する場合

7.接着適用技術者に必要な知識とセンス

 

第Ⅱ単元【1日目(9/10)後半】(13:5017:30

第3章 接着の基礎とメカニズム (13:50-15:20 講師:若林一民)

1.接着の基礎

1.1 接着・接着剤とは・位置づけは

1.2 接着剤の長所, 短所

1.3 接着剤の分類

2.接着のメカニズム

2.1 接着理論の分解図

2.2 ぬれと接触角

2.3 接着の仕事

2.4 溶解度パラメータとは

2.5 接着界面の強さ

2.6 金属結合と水素結合

2.7 接着剤と被着材面の分子同士の結合

2.8 二次結合(ファン・デル・ワールス力)とは

2.9 力学的な接着効果(アンカー効果)

 

休憩 10

 

第4章 正しい接着剤の選び方 (15:30-17:20 講師:若林一民)(途中休憩10分を含む)

1.接着剤選定の基準(ルール)

2.被着材----接着される材料は何か

3.接着剤に望ましい性質は何か

4.接着剤の使用方法は

5.法規制を知る

6.接着剤選定のためのチェックリスト

7.接着剤の選定方法

8.被着材からみた接着剤選定の早見表

 

懇親会 【1日目(9/10)終了後】(17:30頃~)

 参加費無料の懇親会行います。できるだけ多くのご出席をお願いします

 

第Ⅲ単元【2日目(9/11)前半】(10:0013:00

第5章 被着材の表面処理 (10:00-13:00 講師:山辺秀敏)(途中休憩10分を含む)

1.表面処理の目的と分類

 1.1 被着材の表面処理の目的

 1.2 被着材の表面処理の分類

2.被着材の理想表面と実存表面、接着界面

 2.1 理想金属表面

 2.2 実存金属表面

 2.3 金属接着における影響因子

 2.4 金属接着界面の考え方(アルミ合金)

 2.5 金属における表面処理の必要性

    熱力学的考察

    表面自由エネルギー

    接着仕事

 2.6 界面における水の濃化

 2.7 金属接着力低下の考え方

3.金属の接着用表面処理とその効果

 3.1 JIS K-6848-2で規定された金属表面処理方法

 3.2 普通鋼の製造工程

 3.3 普通鋼の表面処理Ⅰ

    リン酸塩処理

    塗布型クロメート皮膜

 3.4 普通鋼の表面処理Ⅱ:各種接着用プライマー

 3.5 シリコーター処理プロセス

 3.6 アルミニウム合金の接着用表面処理

 3.7 歯科用接着モノマー(NiCrおよびCrCo系合金等)

 3.8 銅とポリイミドの接着における粗面化の効果

 3.9 銅とエポキシの接着におけるイミダゾールシランの効果

 3.10 接着耐久性の向上Ⅰ:ステンレス陽極酸化処理

 3.11 接着耐久性の向上Ⅰ:最適表面処理検討のポイント

 3.12 表面・界面分析技術

     X線光電子分光分析(XPS)

     赤外分光分析(FTIR)

     static SIMS(静的二次イオン質量分析)

     ToFSIMS(飛行時間型二次イオン質量分析)

 3.13 接着耐久性の向上Ⅱ:ステンレス鋼へのシランカップリング剤処理

 3.14 接着耐久性の向上Ⅲ:結合タイプと結合エネルギー

 3.15 接着耐久性の向上Ⅳ:ステンレス鋼のポリカルボン酸薄膜処理

 3.16 接着耐久性の向上Ⅴ:トリアジンチオール化合物による機能化例

4.プラスチック類の接着用表面処理

 4.1 被着材の表面に存在する異物と接着性向上

 4.2 大気圧プラズマの分類

 4.3 大気圧プラズマ処理

 4.4 短波長紫外線照射による洗浄・改質 

 

第Ⅳ単元【2日目(9/11)後半】(13:5017:30

第6章 高品質接着を達成するための基本条件と作り込みの目標値 (13:50-15:00 講師:原賀康介)

1.高品質接着とは

2.高品質接着達成のための開発段階での作り込みの目標値

3.接着のアキレス腱(脆弱箇所)

 

休憩 10

 

第7章 接着部品の構造設計 (15:10-17:30 講師:原賀康介)(途中休憩10分を含む)

1.接着部品の構造設計の基本理念

2.接着部の構造設計時の考慮点

3.接着耐久性を向上させるための考慮点

4.構造設計時のチェック項目

 

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第Ⅴ単元【3日目(9/20)前半】(10:0013:00

第8章 接着接合部の力学 (10:00-13:00 講師:佐藤千明)(途中休憩10分を含む)

1.接着接合部に加わる力の種類

2.接着接合部の形状と応力解析

3.接着強度の測定方法、試験装置

4.測定結果に影響する諸因子

5.非破壊検査

 

第Ⅵ単元【3日目(9/20)後半】(13:5017:30

第9章 内部応力 (13:50-16:00 講師:原賀康介)(途中休憩10分を含む)

1.内部応力で生じる不具合

2.内部応力の種類と発生メカニズム

2.1 硬化収縮応力-接着剤硬化時の体積収縮-

2.2 加熱硬化後の冷却による熱収縮応力

2.3 使用中の温度変化による熱応力

2.4 吸水膨潤応力

3.応力緩和

3.1 粘弾性

3.2 粘弾性による応力緩和のメカニズム

4.内部応力に影響する因子

4.1 接着剤の物性(硬化後の硬さ、収縮率)

4.2 部品の厚さ、剛性

4.3 接着部の形状

4.4 接着剤の硬化速度の影響

4.5 室温硬化後の後硬化の影響

4.6 ヒートサイクルによる内部応力の変化

4.7 厚物の加熱硬化における温度勾配の影響

5.硬化過程における収縮率、弾性率、応力の求め方

5.1 体積収縮の経時変化の測定法

5.2 弾性率の経時変化(液体→固体)の測定法

5.3 硬化過程における硬化収縮率と弾性率の経時変化からの内部応力の変化の求め方

6.内部応力の低減策

 

休憩 10

 

10章 接着部の必要強度とCv値の設計法-原賀式『Cv接着設計法』 (16:10-17:20 講師:原賀)

1.原賀式『Cv接着設計法』とは

2.原賀式『Cv接着設計法』の構成要素と考え方

2.1 原賀式『Cv接着設計法』 の構成要素

2.2 接着強度の分布の形

2.3 接着部に加わる力と発生不良率

2.4 許容不良率 F(x)

2.5 不良を表す指数、工程能力指数CpL

2.6  「ばらつきの大きさ」を表す指標「変動係数Cv」と「ばらつき係数d

2.7 信頼性指数R,許容不良率F(x),ばらつき係数d,変動係数Cvの関係

2.8 接着強度を破断強度で考えてはいけない(内部破壊強度)

2.9 劣化すると接着強度の低下とばらつきの増大が起こる

2.10 原賀式『Cv接着設計法』の構成要素と考え方のまとめ

3.原賀式『Cv接着設計法 』における設計式

3.1 高品質接着のための必要強度・接着面積と変動係数を簡易に見積る

3.2 必要強度/最大負荷荷重 の比率を求めるための必須条件

3.3 必要強度/劣化後の許容不良率の上限強度 を求める

3.4 内部破壊、安全率を考慮した初期の必要平均破断強度を求める

4.原賀式『Cv接着設計法 』による見積りの計算例

 

研究室見学会 【3日目(9/20)終了後】(17:30頃~)

 佐藤先生の研究室の見学会を行います。参加は自由です。

 

第Ⅶ単元【4日目(9/21)前半】(10:0013:00

11章 接着の耐久性

11.1章 劣化の要因とメカニズム、耐久性評価のポイント (10:00-11:00 講師:原賀康介)

1.接着接合部における劣化箇所

2.代表的な劣化の要因

3.接着劣化のメカニズム

3.1 熱劣化

3.2 ヒートサイクル、ヒートショック

3.3 水分による劣化

3.4 継続荷重(クリープ)

4.耐久性評価における注意点

4.1 水分劣化における接着部の形状・寸法の影響

4.2 接着部での水分の濃度分布と強度低下の関係

4.3 吸水後の乾燥による接着強度の回復(乾燥可逆性)

4.4 クリープ耐久性に及ぼす水分の影響-応力と水分の複合-

4.5 冷熱繰返し試験における強度低下のモード

5.耐久性評価試験の目的と種類

 

休憩 10

 

11.2章 接着耐久性の長期寿命予測法 (11:10-12:10 講師:原賀康介)

1.寿命予測の鉄則

2.長期熱劣化の予測法

2.1 アレニウス法

2.2 アレニウス法による熱劣化の予測例

3.長期水分劣化の予測法

3.1 アレニウス法による推定

3.2 吸水率分布からの耐水性の予測法

3.3 飽和吸水率および拡散係数の求め方

4.長期屋外暴露劣化の予測法

5.クリープ耐久性の予測法

5.1 応力負荷装置

5.2 長期クリープ強度の予測方法

6.疲労耐久性の予測法

 

休憩 10

 

12章 複合接着接合法 (12:20-13:00 講師:原賀康介)

1.複合接着接合法とは

2.代表的な複合接着接合法

2.1 接着剤とスポット溶接の複合接合(ウェルドボンディング:WB

2.2 接着剤とリベットの複合接合(リベットボンディング:RB

2.3 その他の複合接着接合法

3.なぜ接着接合だけでやらないのか?-接着剤と他の接合法の役割・機能-

3.1 接着剤の役割・機能

3.2 リベットなどの他の接合法の役割・機能

4.複合接着接合法の諸特性

4.1 各種接合法の強度の比較

4.2 接着強度のばらつきの低減

4.3 薄板でのはく離接着強度の向上

4.4 破断に対する冗長性の向上

4.5 接着強度の温度依存性の低減(高温接着強度の向上)

4.6 疲労特性の向上

4.7 接着の耐クリープ性の向上

4.8 応力負荷状態での接着の耐湿性の向上

4.9 剛性、耐震性の向上

4.10  工程合理化、コストダウン(金属筐体の例)

 

第Ⅷ単元【4日目(9/21)後半】(13:5017:30

13章 接着工程における留意点と、工程設計、設備設計への反映 (13:50-15:30 講師:原賀康介)

1.接着の工程

2.接着工程における留意点

2.1 部品の素材

2.2 素材の部品加工(形状形成)

2.3 部品の二次加工

2.4 接着の前工程

2.5 接着工程

2.6 接着の後工程

2.7 接着の検査、保管、保護・梱包

3.特殊作業工程における自動化と手作業の棲み分け

4.トラブル時の停止-工程の連続性を考慮する-

5.工程設計、設備設計への反映

 

休憩 10

 

14章 接着の品質設計、品質管理 (15:40-17:30 講師:原賀康介)(途中休憩10分を含む)

1.接着の特異性を認識した上での品質設計・品質管理

1.1 接着の特異性

1.2 特殊工程技術における品質設計

1.3 特殊工程技術における品質管理

1.4 接着不良が発生した時のチェックポイント

2.耐用年数経過後の安全率の尤度の定量化法

2.1 この評価法の適用の目的と前提条件

2.2 接着強度の経年変化の概念

2.3 耐用年数経過後の安全率の尤度の算出法

2.4 耐用年数経過後の安全率の算出事例

3.トラブル品の不良率の推定事例

3.1 トラブルの状況

3.2 原因と最低強度の推定

3.3 耐用年数までの発生不良率の推定

3.4 対策と対策品の信頼性の推定

                                           以上